教育センター・
教育委員会の声

デジタルコンテンツとICT 環境の相乗効果で児童のやる気を 引き出す授業

兵庫県洲本市はコンテンツだけではなく、市内小学校全普通教室へ電子黒板を整備。
その相乗効果でデジタル教科書の利用が年々増加し、ただデジタル教科書を利用するだけの授業から、児童が参加し、学び合い・教え合いの活発な授業を実践されています。

現場の先生の声

兵庫県洲本市立大野小学校 校長 美濃さま

洲本市様では、EduMallを利用してデジタルコンテンツを利用して頂いておりますが、そのメリットをお聞かせください。

 メリットとしては、デジタルコンテンツのメンテナンスの手間を考えることなく、いつでも最新なものを利用し、授業することができることです。また、EduMall で提供される利用履歴は、どの学校がどのコンテンツを利用しているのか、できていなければ何故できないのかを分析することができ、次に活かすことができます。また、学校現場での履歴を活用することで、利用している学年と、していない学年での成果の違いを見ることができることもメリットとして考えられます。

洲本市様は、2012年からデジタル教科書の利用をスタートされ、13年度から普通教室への短焦点液プロ型の電子黒板の導入も進められ、今年度全教室に導入されました。
13年度の履歴を見てみますと、導入後からは、3年生の利用が急激に増加していますが、この理由についてお聞かせください。

 これは、電子黒板が常設されたことが最大の理由です。常設することのメリットは、毎日継続的に少しでも使うことができることだ、と考えています。常設でないと、活用の頻度を上げることはできないと考えています。
 利用促進の取り組みとしては、洲本市教育委員会が毎年研修会を行っており、大勢の教員が参加しています。同時に、本学では校内で先生同士の学び合い・教え合いを行っています。これは、利用する効果についての話し合いで、効果があるから他の先生方も利用を始め、それが、この結果となっている、と考えます。
 最初は、一斉指導でコンテンツを大きく映して利用していただけでしたが、ソフト&ハードともいつでも利用できる環境である為、児童の意欲の高まりと同時に先生方の利用も変わってきて、今ではコンテンツ以外に児童のノートや、発表資料なども投影し発表するなどの学び合いの授業を行う上で必須の環境となっています。そのきっかけが、どの先生でも簡単に利用できるデジタルコンテンツとICT環境だった、と考えています。またこの児童の意欲・学力向上に対する取組は、全教員で取り組んでいかなければならないとの考えから、特定の教員だけでなく誰でも簡単に利用できることが最も重要であると思います。

現場の先生の声

兵庫県洲本市立大野小学校 教諭 那木さま

普通教室の中でコンテンツ(デジタル教科書)を利用するメリットは何ですか?

 児童の顔があがり、前を見て授業ができることや、授業中の指示を視覚的に行うことで指示が明確になることが、大きなメリットです。教科としては、特に算数で一番多く利用しています。教科書は、練習問題以外の箇所では、問題と同時に答えが書かれていることが多いので、その場合は利用していないことが多いです。ただ、当初はデジタルコンテンツ(教科書)のみで授業をしていましたが、最近は必ずワークシート等の紙と並行して利用しています。デジタルコンテンツだけだとなんでもすぐに提示できるために、児童が手元で行う作業・学習を奪うことなり、定着しにくくなるからです

実際の授業の流れとしては、どのような利用をされていますか?

 導入部分でデジタルコンテンツで関心を引き付け、展開部分でワークシートなどを利用して児童が実際に手を動かし、最後の発表・まとめ部分で再度コンテンツを利用してまとめる、という流れで利用しています。
 当初は、デジタルコンテンツは教師が提示のために利用するのみでしたが、最後のまとめ発表の部分で、児童が前に出て発表する時にもデジタルコンテンツを利用しています。こうすることで児童も電子黒板やコンテンツを使って操作することで発表しやすくなり、自分と違った考え方も見ることができるので、意見を共有し学習を深めることができると同時に児童間の教え合いができるようになってきています。

洲本市様では、全小学校の全普通教室に電子黒板が導入されていますが。

 全普通教室に短焦点液プロ型電子黒板を設置しているので、いつでも利用できる環境になっています。ただ、黒板に画像を投影するので黒板が狭くなります。その為、板書については、残したいものは黒板、消えてもいいものはスクリーンと、工夫を行っております。同時に、授業設計の中で一番気を付けているポイントは、従来の紙ではできないことが、デジタルコンテンツでは操作できるが、それに頼ると児童の手元作業・学習を奪ってしまう。そこに気を付けたバランスのとれた授業を心掛けています。